の通り、千、五百の大馬飼は、貴殿以外にはござらぬからな」
「御意で。……が、そうとありますれば、いささかお気の毒に存ぜられまする」
「何故でござるな。それは何故で?」
「なぜと申してそうではござらぬか、そのような莫大な黄金を、私保存いたし居りますれば、決して決して何人にも、お渡しすることではござりませぬ」
「それはもうもう云うまでもない儀、が、拙者といたしましては、そこに少しく別の考えが……」
10[#「10」は縦中横]
「別の考え? 何でござるかな?」
「貴殿がたしかにその黄金を、現実に保存され居るなら、何で拙者その貴殿より、その黄金取りましょうや。……が、もしも貴殿においても、黄金の在り場所的確に知らず、ひそかに探し居らるるようなら……」
「なるほど、これはごもっとも。そうあるならば貴郎《あなた》様と私、力を集めて探し出そうと覚し召し、参られたので?」
「さよう、ざっとその通りでござる」
「これは事件が面白くなった。……が、さて何と申し上げてよいやら」
嘉門はここで沈黙してしまった。
妙に息詰まる真剣の気が、二人の間に漂っている。
やがて嘉門がポツリポツリと云った。
「歌に
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