に揺れて、山の手の方へ行くのが見えた。
三人は後を追った。
が、その一行に近寄って見て、これは迂闊に力で襲っても、勝目すくなく危険だと思った。
というのは一頭の裸馬に、男か女かわからなかったが、一人の人間をくくりつけ、それへ油単《ゆたん》を上から冠せた、そういう人と馬とを囲繞《いじょう》し、十数人の荒くれ男が、鉄砲、弓、槍などを担いで、護衛して歩いているからであった。
(飛道具には適わない)
三人ながらそう思った。
で、要介は浪之助に、
「どこまでもこっそり後を尾けて、その行方を確かめよう。そうしていい機会が到来したら、切り散らして犠牲者を奪い取ってやろう」
こう耳元で囁いた。
「それがよろしゅうございます」
浪之助も[#「浪之助も」は底本では「浪人之助も」]そう云った。
澄江を生地獄へ送り出した後の、嘉門の豪奢な主家の部屋には、逸見多四郎が端座していた。
想う女を生地獄へ送った。――そんな気振など微塵もなく、嘉門は機嫌よく愛想笑いをして、多四郎との閑談にふけっていた。
処士とはいっても所の領主、松平|大和守《やまとのかみ》には客分として、丁寧にあつかわれる立派な
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