、
「それでは大変お気の毒ですが、貴女様には変わった所へ、一時おいでを願わねばならず……是非ともおいでを願わねばならず……一度まアそこへ行って来られてから、改めてゆるゆるご相談――ということに致しましょうのう」
で、また莨をパクリと喫い、濛々と煙を吐き出した。
「何と申してよろしいか、貴女様がこれからおいでになる所、何と申してよろしいか。……どっちみち厭アなところでござる……どんな強情のジャジャ馬でも、一どそこへ叩っ込まれると、生れ変わったように穏しくなります……気の弱いお方は発狂したり、もっと気の弱いお方になると、さっさと自殺するようで。……さようさよう以前のことではあるが、お組の源女とかいう女芸人が、やはり強情で[#「強情で」は底本では「情強で」]そこへやられたところ、発狂――まあまあそれに似たような状態になりましたっけ……さて、そこで貴女様も、そこへおいでにならなければ……ならないことになりましたようで」
「どこへなと参るでござりましょう」
澄江は冷然とそう云った。
死を覚悟している身であった。
何も恐れるものはない。
苦痛! それとて息ある間だ! 死んでしまえば苦痛は
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