には、神気全く消耗し尽くした。
(仆れてなろうか! 仆れぬ! 仆れぬ!)
 が、ドッタリ草の上に仆れ、気絶! ――陣十郎は気絶してしまった。
 火事の遠照りはここまでも届いて、死人かのように蒼い顔を、陰影づけて明るめていた。
 修羅の巷は向こうにあったが、ここは寂しく人気なく、秋の季節は争われず、虫の音がしげく聞こえていた。
 と、この境地へ修羅場を遁れ、これも同じく疲労困憊、クタクタになった武士が一人、刀を杖のように突きながら、ヒョロリヒョロリと辿って来た。
「や、死人か、可哀そうに」と呟き、陣十郎の側《そば》へ立った。
 が、俄然躍り上り――躍り上り躍り上り声をあげた。
「陣十郎オ――ッ! 汝《おのれ》であったか! 鴫澤主水が参ったるぞ! 天の与え、今度こそ遁さぬ! 立ち上って勝負! 勝負いたせッ!」
 武士は鴫澤主水であった。
「起きろ起きろ水品陣十郎! 重なる怨み今ぞ晴す! ……起きろ! 立ち上れ! 水品陣十郎!」
 刀を真っ向に振り冠り、起き上ったらただ一討ち! ……討って取ろうと構えたが、陣十郎は動かなかった。
(死んでいるのか?)と疑惑が湧いた。
 手を延ばして額へ触った
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