間、一所へ集まり閃めいた。
 見れば陣十郎の右の手に、抜かれた白刃が持たれていた。
 バタバタと女達は奥の方へ逃げた。
「アッハハハ」と陣十郎は、不意に気味悪く笑い出した。
「ある時には関の孫六、ある時には三条小鍛冶、ある時には波の平! 時と場合でこの刀、素晴らしい銘をつけられるが、ナーニ本性は越前|直安《ただやす》、二流どころの刀なのさ。……が、切れるぞ、俺が切れば! ……千里の駒も乗手がヤクザで、手綱さばきが悪かろうものなら、駄馬ほどにも役立たぬ。……名刀であろうとナマクラが持てば、刀までがナマクラになる。……それに反して名人が持てば、切れるぞ切れるぞ――ズンと切れる! ……嘘と思わば切って見せる! ……どいつでもいい前へ出ろ!」
 云い云い四方を睨み廻した。
 山毛戸《やまかいど》の源太郎、中新田の源七、玉川の権太郎、閂峰吉、錚々《そうそう》たる猪之松の乾児達が、首を揃えて集まってはいたが、狂人《きちがい》に刃物のそれよりも悪く、酒乱の陣十郎に抜身を持たれ、振り廻されようとしているのであった。首を縮め帆立尻《ほたてじり》をし、ジリジリと[#「ジリジリと」は底本では「ヂリヂリと」]
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