さえした。
「ああ妾はあの人にだって…………!」
 寝台がリズミカルに揺れている。
 お紅の全身は汗ばんで来た。呼吸が…………。薄衣の下の肉体が…………。
 で、この寝部屋の寝台の上に、…………裸形の女は、決してお紅ではないのであった。単なる漁色的の動物であった。つつましい清浄なお紅という処女は、ほんの少し前に消えたのである。
 しかし漁色の動物は、お紅一人ではないのであった。
 あの近東の回教国の、密房に則って作ったところの、この奇形な建物の内には、同じような部屋が幾個《いくつ》かあって、その部屋々々には漁色狂の女が、無数に籠められて居るらしい。その証拠には四方八方から、極めて遠々しくはあったけれど、…………を柱へでも投げつけるらしい、物の音などが聞こえてきた。
 みだらな唄声なども聞こえてくる。
 だがお紅には聞こえなかった。
 掻きむしられるような…………が、身心をメラメラと焼き立てる。その…………を消し止めようと、お紅は夢中で争っている。
 しかし絶対に勝ち難かった。次第々々に負けて来た。とうとうお紅は打ちのめされた。
「妾は…………! 最初に来た人へ!」
 桃色の薄衣を退《の
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