って上下へ動き、寝ている人の愛慾を、自然にそそるように出来ていた。寝部屋の天井に描かれてあるのは、曲線ばかりの模様であった。
…………
そういう連想を見る人の心へ、起こさせるように出来ていた。
が、その部屋もバタビヤ織りらしい、これも深紅の垂布によって、入口を蔽われているがために、ハッキリと見ることは出来なかった。
お紅の坐っている部屋のつくりには、これといって特異なものはなかった。
ただ天井から下っている、珊瑚と鋼玉と爐眼石とで、要所要所を鏤められた、朝顔型のアレジヤ龕が、朝顔型に琥珀色の光を、床の上へ一ぱいに投げていた、それの光に照らされて、幾個《いくつ》かの異国的の食器の類が、各自《めいめい》の持っている色と形とを、いよいよ美しく見せて居るのが、いちじるしい特色ということが出来る。
尖形のギアマンの水注がある。そうしてその色は紫である。盛られているのは水だろうか? 喇嘛僧《らまそう》形の薬壺がある。そうしてその色は漆黒である。どのような薬が入っているのであろう? 錫製の椀には獣肉が盛られ、南京産らしい陶器の皿には、野菜と魚肉とが盛られてある。
そういう器類を前にして
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