が知りまして、美貌の弟の主馬之進《しゅめのしん》を進め、わたし達のご両親に接近させ、そのあげくにお父様を、あのような手段で非業に死なせ、お母様を誑《たぶら》かし、わたし達の家へ入婿になり……」
「おおなるほどそうなのかえ、そうして財産の隠匿場所を……」
「そうなのですそうなのです、時々やって来る頼母と一緒に、主馬之進めはその隠匿場所を……」
「発見《みつけだ》そうとしているのだねえ。……そう聞いてみれば松浦頼母めが、お父様の敵《かたき》の元兇なのだねえ。……ああそれでやっとわたしには解《わか》った。何でお前がこのような所へ、こんな田安様のお屋敷内へ、忍び込んで来たのかと不思議だったが、では頼母を殺そうとして……」
「いいえお姉様わたしはそれ前に、ここのお腰元のお八重様のお命を……それよりお姉様こそどうしてここへ?」
「ここのご家臣の山岸主税様の、お命をお助けいたそうとねえ……」
こうして姉妹《きょうだい》は各自《めいめい》の目的を――この夜この屋敷内へ忍び込んだ、その目的を話し出したが、この頃主税とお八重とは、どんな有様であるのであろう?
崩折れる美女
主税《ちから》とお
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