し[#「わし」に傍点]が持っていた。……それにしても淀屋の独楽を巡って、幾十人の者が長の年月、悲劇や喜劇を起こしたことか。……でも、いよいよ淀屋の独楽が、一所に集まる時期が来た。……お八重、わしに従《つ》いておいで。淀屋の財宝の莫大な額を、親しくお前の眼に見せてあげよう」
地上の独楽を懐中に納め、龕燈を取り上げて飛加藤の亜流は、やおら草から立ち上った。
お八重もつづいて立ち上ったが、
「でも叔父様、船もないのに、沼を渡って、どうして小島へ……」
因果応報
「ナーニ、わしは飛加藤の亜流だよ。どんなことでも出来る人間だよ。そうしてわしに従《つ》いてさえ来れば、お前もどんなことでも出来るのだよ。……沼を渡って行くことなども……」
二人は沼の方へ歩いて行った。
藪の陰に佇んで、見聞きしていた頼母は太い息を吐き、
「さてはそういう事情だったのか」と声に出して呟いた。
(淀屋の独楽の隠語は解けた。淀屋の財宝の在場所も知れた)
このことは頼母には有り難かったが、飛加藤の亜流とお八重とが揃って、財宝の所在地へ行くということが、どうにも不安でならなかった。
(財宝を二人に持ち出されて
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