もしなどして、奇行をして世間を歩き廻っている、隠者のような老人とのことで。……勘兵衛めがそう云いましたよ。今日も夕方この近くの野道で、怪しい行ないをいたしましたとかで……」
「その飛加藤の亜流とかいう老人が、代々財宝を守護するなどと、文字の上に現われました以上は、その老人を捕らえませねば……」
「左様、捕らえて糺明するのが、万全の策には相違ござらぬが、その飛加藤の亜流という老人、どこにいるのやらどこへ現われるのやら、とんと我らにしれませぬのでな」
「それより……」と主馬之進が口を出した。
「『見る日は南』という訳のわらぬ文句が、隠語の中にありまするが、何のことでございましょうな?」
「それがさ、わしにも解《わか》らぬのだよ」と頼母は当惑したように云った。
「この文句だけが独立して――他の文句と飛び離れて記されてあるので、何ともわしにも意味が解らぬ。……だがしかしそれだけに、この文句の意味が解けた時に、淀屋の財宝の真の在場所が、解るようにも思われる……」
「三つ目の淀屋の独楽を目つけ出し、隠語を探り知りました時、この文句の意味も自ずから解けると、そんなように思われまするが」
「そうだよそ
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