「いいえ非常に遠いのです」
「いつこの島へ来られたのです?」
「ちょうど、今から五年ほど以前《まえ》に」
「何んのために来られたのです?」
「隠された宝庫を探すためにね?」
「やはり君達もそうなんですか」ジョン少年は眼を円くしたが、「そうして宝は見付かりましたか?」
「もう一息というところでとうとう失敗したのですよ。……つまり聖典を盗まれたのでね」
「その聖典とはどんなものです?」
「漢文で書かれた本ですよ」
「漢文というと支那の文章ですね」
「ええそうです支那の文章です。……その聖典には、益《ため》になる話が数限りなく書いてあるのです。……大事な大事な本なのです」
「いったい誰が盗んだのです?」
「蛇使いの婆さんがね」
「その婆さんはどこにいます」
「地下の世界にいるのだそうです」
「そんな世界があるのですか?」
「ええあるということですよ」
「何故他人の本なんか盗んだのでしょう?」
「宝の在所《ありか》が書いてあったからです」
「隠された宝と婆さんとは何か関係でもあるのですか?」
「その婆さんが守り主なのです。その隠された宝のね。で、婆さんは本さえ盗んだら宝は安全だと思ったので
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