。
「おや君はどなたです?」その少年は審《いぶか》しそうに訊いた。その言葉は土人語である。
「道に迷った子供です」
「ああそうですか、それはお気の毒……」その少年は優しく云った。親切そうな少年である。
「君は土人ではありませんね?」ジョン少年はまず尋ねた。
「ええ僕らは日本人です。……君も土人ではありませんね?」
「そうです僕は英国人です」
「英国人? ああそうですか。で名前は何んと云うのです? 僕の名は大和日出夫」
「僕の名はジョン・ホーキン」
「英国というとどの辺です?」
「遠くの遠くの海のあなたです」
「そこから一人で来たのですか?」
「どうして一人で来られるものですか。お父さんや仲間の者と、海を越えて来たのですよ」
「その人達はどうしました?」
「土人と戦争をしています。……ところでここはどこなのです? 大陸ですか島ですか?」
「チブロン島の裏海岸です」
「オヤやっぱりチブロン島ですか」ジョン少年は吃驚《びっくり》したが、「日本というのはどんな国です?」
「日本は東洋の君子国ですよ。そうして人間は利口ですよ。尚武《しょうぶ》の気象に富んでいます」
「チブロン島から近いのですか?
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