ざるを得なかった。
「釣天井で圧殺とは、聞いただけでも身が縮《すく》む。無残なことをする奴らだ」
 ホーキン氏もさもさも驚いたように歎息しながらこう云ったが、「これは捨てて置かれない。是非とも復讐をしなければならぬ」
「さよう、復讐をしなければならぬ」紋太夫は頷いて、「石畳が落ちた後の穴から、屋上へ二人躍り出て土人どもを撫で切りにするか。それともきゃつらが結果を案じ、いずれ地下道へ下りて来るであろうが、そこを待ち受けて討ち果たすか、さあどっちがよかろうな」

        十八

「敵は大勢、味方は二人、広場へ出ては敵《かな》いそうもない。きゃつらが地下道へ来るのを待って、容易《やすやす》討つに越したことはない」これがホーキン氏の意見である。
「なるほど、それがよろしかろう。逸《いつ》をもって労を討つ、これ日本の兵法の極意じゃ」
「我が英国の兵法にもそういうことは記されてある。兵の極意は科学的であるとな」
「科学的とは面白い言葉だ。つまり理詰めと云うのであろう」
「さようさよう、理詰めと云うことじゃ。敢て兵法ばかりでなく、万事万端浮世の事は、すべからく総《すべ》て科学的でなければなら
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