せん。ところでもう一つの迷路からも絶対に行くことは出来ません。お聞きすれば紋太夫殿は、迷路に住んでいる巫女《みこ》に教わり、奇数偶数、奇数偶数と、こう辿って行かれた結果、地下の世界へ参られたというが、しかし再びその巫女の所へどうして行くことが出来ましょう。なるほど、巫女の住む場所からはそういう順序でも行けましょう。しかし入り口から巫女の部屋へはそういう順序では参れません。もしそんな順序で参れるようなら、それは迷路ではありません。仮りにも迷路とあるからは、そんな簡単な順序では到底行くことは出来ません。
 で、要するに地下の世界へは、今のところ我々は、絶対に行けないのでございます。
 ではどうしたらよかろうか?
 当分の間我々には、地下の世界の財宝を諦らめ、この天産の無限に多い島その物の開拓に従事すべきではありますまいか。そうして緩々《ゆるゆる》その間に、壊れた地下道を修繕するもよし、新に開鑿《かいさく》するもよし、手段はいくらもございます。その上で地下へ参ったなら、成功することと思われます」
 節斎の長い物語はようやくここで終りとなった。
 他に手段がなかったので、紋太夫もホーキン氏もそ
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