の人民から追い去られてしまうというがごとき、よろこばしき時節を迎うるに至らんことを、望みかつ信ぜざらんとするもあたわざるものである。」
[#ここで字下げ終わり]
語を寄す、わが国の政治家。欧州の天地、即今戦報のもたらす以外、別に這箇《しゃこ》の大戦争あるを看過されずんば、洪図《こうと》を固むるは諸卿《しょけい》の業《わざ》、この物語の著者のごときはすなわち筆硯《ひっけん》を焼き、退いて書癡《しょち》に安んずるを得ん。[#地から1字上げ](十月三日)
五の一
以上をもって私はこの物語の上編を終え、これより中編に入る。冬近うして虫声|急《すみや》かなる夕《ゆうべ》なり。
今日の社会が貧乏という大病に冒されつつあることを明らかにするが上編の主眼であったが、中編の目的はこの大病の根本原因の那辺《なへん》にあるかを明らかにし、やがてこの物語全体の眼目にして下編の主題たるべき貧乏根治策に入るの階段たらしむるにある。
ロンドン大学教授エドウィン・キャナン氏はその著『富』に序して
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「経済学の真の根本問題は、われわれすべてが、全体として、今日のごとき善《
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