百分の二弱)にしか当たらぬのである。比較的に下層階級の富有な米国でも、同じく全人口中六割五分だけの者が、全国の富のわずかに五分余りしか所有しておらぬのである。
さて最も貧乏なものから数えてまず全人口数の六割五分を取ったのちは、さらにだんだんに上にのぼって、今度は全人口数の一割五分に相当するだけの人員を一まとめにしてこれを中等の下となし、その次の一割八分に相当する者はこれを中等の上となし、最後に残れるもの、すなわち全国民中最も富めるものにして、人数より言えば全人口数のわずかに二分(百分の二)に相当する部分のものを、同じく一まとめにしてこれを最富者となし、おのおのの所有に属せる富の割合を算出したのである。
[#「英米独仏における富の分配」のキャプション付きの図表(fig18353_04.png)入る]
[#ここから図表下部解説文]
ここに掲ぐる一図は、前に掲げたる事実(三〇ページ参照[#「諸国における富の分配」の図表のこと])をばロレンズ氏の曲線を用いて図に現わしたものである。しかして横は家族数を示し、縦は富の分量を示す。家族は最も貧乏なるものを最右端に置き、それより順次左に富める者を排
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