竦ァ度を変えたらよいと言ったところが、それだけの仕事を負担する豪傑が出て来なければだめだからである。しかるに「茫々《ぼうぼう》たる宇宙人無数なれども、那個《なこ》の男児かこれ丈夫」で、天下の大事を負担する豪傑はそう容易に得らるるものでない。また幸いにしてそういう豪傑が出て来て、制度やしくみを変えようと試みたとしても、まず社会を組織せる一般の人々の思想、精神が変わって来ていなければ、ことに今日のごとき輿論《よろん》政治の時代においては、容易にその制度なりしくみなりが変えられるものではない。またたとい時の勢いをもってしいて制度やしくみを変えてみたところが、その制度しくみを運用すべき人間そのもの、国家社会を組織している個人そのものが変わって来ぬ以上、根本的の改革はできるものではない。これをたとうれば、社会組織の善悪は寿司《すし》の押し方に巧拙あるがごときものである。押し方が足りなければ米粒はバラバラになって最初から寿司にならぬが、しかしあまり強く押し過ぎても寿司は固まって餅《もち》になってしまう。しかしいくらじょうずな押し方をしても、材料がまずくてはやはりうまい寿司はできぬ。そこで押し方のく
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