驍ノ先だち、よろしく今日において十二分の考慮を積むべきである。
もっともわが国においても、郵便、電信、鉄道等はすでに国営事業となり、塩、煙草《たばこ》、樟脳《しょうのう》等もまた政府の専売になっている。また水道、電燈、電車等の事業にして、地方公共団体の経営に成れるものも少なくはない。さればこの上さらに公営事業を拡張することとなれば、個人にとっては次第に金もうけの仕事が減るので、一部の実業家にはずいぶん反対もあるであろうが、しかしほんとうに考うれば、一部の実業家を利するよりも、国民全体を富ます方が得策な場合がはなはだ少なからぬであろう。
私は論じてなお尽くさざるところがきわめて多い。しかし私は今この物語の終結を急ぐがゆえに、遺憾ながら適当の順序を経ずして直ちに根本問題に入ろうと思う。
ここに根本問題というは、いわゆる経済組織の改造なるものは、これをもって貧乏退治の根本策中の最根本のものとなすことを得《う》るかという問題である。しかして読者にしてもしこの問題をもって今私に迫られるならば、私は直ちにこれに答えて否という。
なにゆえというに、少し事を根本的に考えてみるならば、いくら組織
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