驕Bそは従来の経済組織をもってしては、とかく避け難きことである。そこで貧乏撲滅の一策として、経済組織改造の論が出るのであるが、幸か不幸か、ドイツもイギリスもフランスも、国運を賭《と》するの大戦に出会ったために、今や一挙にしておのおのその経済組織の大改造を企てつつある。
 思うに収穫の時期はすでにきたれり。アダム・スミスによりて産まれたる個人主義の経済学はすでにその使命を終えて、今はまさに新たなる経済学の産まれいずべき時である。見よ、世界の機運の滔々《とうとう》として移りゆくことを。語にいう、千渓万壑《せんけいばんがく》滄海《そうかい》に帰し、四海八蛮帝都に朝すと。古今を考えかつ東西を観《み》る、また読書人の一楽というべし。噫《ああ》。[#地から1字上げ](十二月四日)

       十の三

 皆が一生懸命になって、一国の生産力をできるだけ有効に使用しようとまじめに考えて来れば、従来の経済組織はおのずから改造されて来ねばならぬ。大戦|勃発《ぼっぱつ》後八方に敵を受けたドイツが、開戦後まもなく率先して経済組織の大改造を企てたのも、ひっきょうはこれがためである。従来多数の人々が見てもって
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