黷ヘただ一例を示しただけであるが、今日のドイツには、産業上すべての方面にわたって、かくのごとき国有主義、国営主義が実現されつつあるものと見て、大過はない。
さすがの英国でも、ゼー・エチ・スミス氏の言ったごとく、だいたいは同じ方向に趨《はし》りつつある。たとえば去月(十一月)十九日発のルーター電報を見ると(同二十日の『大阪《おおさか》朝日新聞』掲載)英国にも食料品条例というものができて、すべての食料品の浪費を禁じ、各食料品につきその消費限度の量目を設定すること等の権限が、商務院の管掌事務として認められたということである。昨年(一九一五年)の一月からドイツの実行している事を、英国ではこのごろになってそれに着手したわけなのである。
いかに国民の生活必要品でも、その供給をば営利を目的とせる私人の事業に一任しておいては、遺憾なく全国民に行きわたるべきものではない。また奢侈品《しゃしひん》の生産はいたずらに一国の生産力を浪費することにより、いかに国民全体の上に損害を及ぼすものなりとはいえ、余裕のある人々が金を出してこれを買う以上、営利を目的とせる事業家は、争うてこれが生産に資本と労力とを集中す
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