ゃし》廃止をもって貧乏退治の第一策となすゆえんである。
 しかしたとい今日の富者が自ら進んで倹素身を持するに至らずとも、もしなんらかの方法をもって、一方には富者のますます富まんとするの勢いをおさえ、他方には貧者(金持ちに比較していう貧乏人)をして次第にその地位を向上せしめ、かくて貧富の懸隔のはなはだしきを匡正《きょうせい》し、一般人の所得をして比較的平等に近づくを得せしむるならば、われわれはその方法のみによっても、貧乏退治の目的を達することができる。けだしすでに一般人の所得にしてはなはだしき差異なからんか、一国の購買力はおのずから社会の最大多数の人々の必要品に向かって振り向けらるべきがゆえに、たとい社会の経済組織は全く今日のままにて、すなわち貨物の生産者はすべて自己の営利をのみ目的とし、もっぱら需要ある貨物、言い換うれば金を出して買い手のある貨物をのみ生産するしくみとなりおるとも、今日のごとく無用有害の奢侈ぜいたく品のみうずたかく製造され、多数人の生活必要品の生産は捨てて顧みられざるがごとき悲しむべき状態は、幸いにしてこれを免れうるからである。これ余が、貧富懸隔の匡正をもって貧乏退治の
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