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○東坡の詩は和[#二]述古冬日牡丹[#一]四首と題せるものの一にして、それは次の如くである。
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一朶[#(ノ)]妖紅翠欲[#(ス)][#レ]流[#(レント)]、 春光囘照雪霜羞
化工只欲[#レ]呈[#二]新巧[#一]、 不[#下]放[#二]間花[#一]得[#中]少休[#上]
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続国訳漢文大成を見るに、ここは岩垂憲徳氏の訳解になつて居り、そして私がここに引いた老学庵筆記が引用されてゐる。私はこれによつて此の筆記が必ずしも世に顧みられないものでない事を知るを得た。なほ岩垂氏は字解といふ所で、宋の高似孫の緯略なるものを引用してゐる。それには、かう云つてある。「翠は鮮明の貌、色に非らざる也。然らずんば、東坡の詩、既に紅と曰へり、又た翠と曰ふ可ならんや」。
(八)
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東坡、嶺海の間に在りて、最も陶淵明柳子厚の二集を喜び、之を南遷の二友と謂ふ。予、宋白尚書の玉津雑詩を読むに、云ふあり、坐臥将何物、陶詩与柳文と。則ち前人、蓋し公と暗合する者あるなり。(老学庵筆記、巻九)
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