でにわれ呆《ほ》けたりと伯父ののらする
ただ二つけさ来たばかりとのらしつつ出してたうべし羊羹のつつみ
天つ日はひかりかがやき海の面《も》は行きかふ船のこなたかなたに(須磨浦所見――船なしといへど未だ船影なきまでには至らず)
ゆらゆらとこぎたみてゆく船見れば戦ひのある日ともおもほへず
ひさに見ぬ海辺に立てばふるさとの麻里布の浦の眼に浮かぶかも
入日さすいただきのみはほのあかく煙れるがごと暮るる群山《むらやま》(帰途所見)[#地から1字上げ]十二月十五日
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偉人レーニンを思ふこと頻なり
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たたかひにやぶることのみひたふるにねがひし人もむかしありけり
ふたたびは見る日なけむと決めてゐしレーニン集が今はこほしき[#地から1字上げ]十二月十六日
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末川君の南行を送りて
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おほぞらゆあらぶわだつみしたにみてみんなみのしまにとびてゆく君
みんなみにおもむく君をおくるにもこのたたかひのゆくへうれたき
たたかひはさもあらばあれゆかばまづうまざけくみてししたうべませ
うまざけをくむたかどのゆみはるかすひろらなる
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