いましうづむる
秋山のしぐるるゆふべ土に入る君がなきがら目守《まも》りつつ立つ[#地から1字上げ]十一月十五日

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銭湯にひたりをり余りに心地好かりければ
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銭湯にもろ手もろ足うちのべて山のいでゆのここちしてをり[#地から1字上げ]十一月十七日
寒き日を銭湯にひたるひとときは王者にまさるとわれ思ひをり[#地から1字上げ]十二月二十四日

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拙稿「大死一番」を書き了へて
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ありしひをおもひいづればわかかりしおのがすがたをいとしとおもふ
一すぢに求め求めてやまざりしわかき日のわがすがた可愛《かな》しも

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拙稿「木下尚江翁」を書き了へて
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あひみしはたまゆらやどるつゆににてとはにけのこるひとのおもひで
わかき日の思ひ出いだき訪はまくと思ひゐし日に君みまかれり[#地から1字上げ]以上十一月二十四日

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拙稿「獄中の食物」を書き了りて
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人も我もただ食《を》し物のこと思ひ日をすごしゆく囚人のごと
敵《あだ》よりも
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