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[#地から1字上げ](昭和十六年十一月十一日清書)
○
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山前山後是青草 山前山後是れ青草、
盡日出門還掩門 尽日門を出でてまた門を掩ふ。
毎思骨肉在天畔 骨肉の天畔に在るを思ふ毎に、
來看野翁憐子孫 来りて見る[#「見る」はママ]野翁の子孫を憐むを。
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これは北郭の閑思と題する曹※[#「業+おおざと」、第3水準1−92−83]《ソウゲフ》(晩唐)の詩である。彼は桂州の人で、洋州刺史となつたと伝へられて居るが、桂州も洋州もどこに当るのか、私には今分からない。(後になつて調べて見ると、桂州は今の広西省桂林県、洋州は今の陝西省洋県であつた。)ただこの詩は、恐らく作者の郷里を遠く離れた任地での作であらう、と思ふだけのことである。北郭といふのは、多分その任地の山城のことであり、山前山後是れ青草と云ふのは、その城郭のある山の前後が、みな野原か田畑になつて居たのであらう。門といふのは、山城の門である。その門を一日中出たり入つたりしてゐる。何のために、そんなに出たり入つた
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