ことがない。しかし私はこの我流に相当の自信を有つてゐる。言ひ足らぬことは、項を改めて更に補足するであらう。

                ○

 小杉放庵の『唐詩及唐詩人』には、次のやうなことが書いてある。
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「友人の話だが、明治の初年支那通の岸田吟香が、あちらで知り会ひの文人達と、日本の詩について話をした折の思ひ付きで、梁川星巌その他日本での有名な詩人の作共の中に、あちらの無名人の作を加へて、わざと作者の名を除いて、試に彼らに見せたところ、みな其の無名人の分を採つた。そこで吟香が、かゝる内容貧弱な詩の何処がよろしいのかと訊ねた。彼等の答は一様に、無名人の分はともかく吟誦に耐へる、星巌等のは成るほど意味は面白からうが、何分下品な調子で賛成できぬと云ふ理由であつた。(中略)韻字平仄は、この吟誦を音楽的ならしむ可く備はつてゐる規則だ。恐らく日本の漢詩人は、本場の作家よりも此の規則をやかましく云つたらうが、原音四声の心得があちらの子供ほどにも行かぬ故、畢竟徒労だ、生れると直ぐに耳についてゐる原音、之は学問では推し切れない、漢字を五字づつ或は七字づつ行列させて、先づ普
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