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小院蠶眠春欲老    小院蚕眠りて春老いんとし、
新巣燕乳花如掃    新巣燕乳して花掃けるが如し。
幽夢錦城西    幽かに夢む錦城の西、
海棠如舊時    海棠旧時の如くならん[#「如くならん」に白丸傍点]。
當年眞草草    当年真に草々、
一櫂還呉早    一櫂呉に還ること早く、
題罷惜春詩    惜春の詩を題し罷めば、
鏡中添鬢絲    鏡中鬢糸添ひにしか[#「添ひにしか」に白丸傍点]。
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 右は私が試に読んで見たのであるが、この詞は作者が錦城(成都)に居た頃の思ひ出を詠じたものであるから、第四句は「海棠旧時の如し[#「如し」に白丸傍点]」と読んではならず、必ず「旧時の如くならん[#「如くならん」に白丸傍点]」と推量の助動詞を用ふべきであり、また結句は「鏡中鬢糸添ふ[#「添ふ」に白丸傍点]」と現在にせず、「鬢糸添ひにし[#「添ひにし」に白丸傍点]」と過去にしなければならぬ。

                ○

 漢詩を読んで味ふのはいいが、韻字平仄に骨を折り、支那人の真似をして、自分で漢詩を作るのは、詰らぬ話だ、と云つ
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