には同情してしまうもんだから……僕はあなたも自分の立場さえはっきり[#「はっきり」に傍点]いってくださればあなたの立場も理解ができると思うんだけれどもなあ。……僕はあまり直線的すぎるんでしょうか。僕は世の中を sun−clear に見たいと思いますよ。できないもんでしょうか」
 葉子はなでるような好意のほほえみを見せた。
 「あなたがわたしほんとうにうらやましゅうござんすわ。平和な家庭にお育ちになって素直《すなお》になんでも御覧になれるのはありがたい事なんですわ。そんな方《かた》ばかりが世の中にいらっしゃるとめんどうがなくなってそれはいいんですけれども、岡さんなんかはそれから見るとほんとうにお気の毒なんですの。わたしみたいなものをさえああしてたよりにしていらっしゃるのを見るといじらしくってきょうは倉地さんの見ている前でキスして上げっちまったの。……他人事《ひとごと》じゃありませんわね(葉子の顔はすぐ曇った)。あなたと同様はき[#「はき」に傍点]はきした事の好きなわたしがこんなに意地《いじ》をこじらしたり、人の気をかねたり、好んで誤解を買って出たりするようになってしまった、それを考えてご
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