貞世の髪はまた思いきって短くおかっぱ[#「おかっぱ」に傍点]に切りつめて、横のほうに深紅《しんく》のリボンが結んであった。それがこの才はじけた童女を、膝《ひざ》までぐらいな、わざと短く仕立てた袴と共に可憐《かれん》にもいたずらいたずらしく見せた。二人《ふたり》は寒さのために頬《ほお》をまっ紅《か》にして、目を少し涙ぐましていた。それがことさら二人に別々な可憐な趣《おもむき》を添えていた。
 葉子は少し改まって二人を火鉢《ひばち》の座から見やりながら、
 「お帰りなさい。きょうはいつもより早かったのね。……お部屋《へや》に行ってお包みをおいて袴《はかま》を取っていらっしゃい、その上でゆっくり[#「ゆっくり」に傍点]お話しする事があるから……」
 二人の部屋からは貞世がひとりではしゃい[#「はしゃい」に傍点]でいる声がしばらくしていたが、やがて愛子は広い帯をふだん着《ぎ》と着かえた上にしめて、貞世は袴をぬいだだけで帰って来た。
 「さあここにいらっしゃい。(そういって葉子は妹たちを自分の身近にすわらせた)このお方《かた》がいつか双鶴館《そうかくかん》でおうわさした倉地さんなのよ。今まででも
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