ら掘り出されたばかりのルビーと磨《みが》きをかけ上げたルビーとほどに変わっていた。小肥《こぶと》りで背たけは姉よりもはるかに低いが、ぴち[#「ぴち」に傍点]ぴちと締まった肉づきと、抜け上がるほど白い艶《つや》のある皮膚とはいい均整を保って、短くはあるが類のないほど肉感的な手足の指の先細《さきぼそ》な所に利点を見せていた。むっくり[#「むっくり」に傍点]と牛乳色の皮膚に包まれた地蔵肩《じぞうがた》の上に据《す》えられたその顔はまた葉子の苦心に十二|分《ぶん》に酬《むく》いるものだった。葉子がえりぎわを剃《そ》ってやるとそこに新しい美が生まれ出た。髪を自分の意匠どおりに束ねてやるとそこに新しい蠱惑《こわく》がわき上がった。葉子は愛子を美しくする事に、成功した作品に対する芸術家と同様の誇りと喜びとを感じた。暗い所にいて明るいほうに振り向いた時などの愛子の卵形の顔形は美の神ビーナスをさえ妬《ねた》ます事ができたろう。顔の輪郭と、やや額ぎわを狭くするまでに厚く生《は》えそろった黒漆《こくしつ》の髪とは闇《やみ》の中に溶けこむようにぼかされて、前からのみ来る光線のために鼻筋は、ギリシャ人のそれに見
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