二、三日前、烏帽子へ登ると言って谷を上って行ったという。
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一月五日 小雪後晴 九・〇〇 平の日電小屋 五・三〇針ノ木峠の小屋
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今日も早朝はまだ雪が降っているので出足がにぶったが、八時頃から雲が動き出して青空がときどき見え出したので、いろいろとお世話になった日電の人々と別れて平を出発する。黒部の籠《かご》の渡しにはちょっと参った。スキーとルックザックを縛りつけると乗るのが大変である。この籠が岸を離れるときの気持は、アップザイレンの出しなと同様気味の悪いものであった。またかじかんだ手で綱を引張ってもなかなか引掛って動かなくなったり、だんだん登りになってくるに従い動きが悪く実につらかった。
やっと河原へ降りてしばらくスキーで行くと右へ針ノ木川を渡らなければならない。水量は僅かで危険ではないが、靴に水が入るので濡れてもよい一時凌ぎの靴下を履いて行く方が良い。また左側へ渡り等して上っていくが、随分以前に一度通っただけなので道をよく覚えていない。そのうえ去年の風水害で橋は全部流されてしまっているので渡るところがよくわからない。ところどころ大
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