しも天候の少々悪い冬など山へ登ろうものなら「冬の山に単独で入るということは、天候の激変等の場合、自然、里の人々は特別に心配をすることになるであろうし、ときにはその人々は少なからぬ犠牲を払って登山者の足跡を追い辿らなければならないのである。かかる心配が幸いにして不必要に終ったとしても、かかる心配をかけたことに対しては登山者は責任を負わなければならない」などといって親切を売物に出し、酒代をゆすろうとするのではないか。
我々はせまい道を通るとき、こっちが大手を振って進めば向うからくる人はそれをよけるが、こっちが小さくなって進めば向うは大手を振ってやってくることを知っている。
また雪の一本道など歩いているとしばしばあることだが、向うからくる人よりこっちが多人数なら決して道をよけようとはしないだろう。外国にはパーティの一員がスリップした場合に、これを他の隊員が支持しえないような物凄い岩場から生れたアラインゲンガーがあるそうだが、かくの如き優秀なアラインゲンガーをつかまえてアラインゲーエンの危険をとく人もあるそうだ。だから単独行者よ、見解の相違せる人のいうことを気にかけるな。もしそれらが気にか
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