単独行者としても、ときには案内をつれたパーティと一緒に山小屋へ泊ることがある。彼は単独行者である以上初めから案内に好かれるはずがない。それに彼は山男の常として無口で人の機嫌などとることを知らない。ただ彼の臆病な心はひたすら案内人の気にさわることを恐れているのである。かかる場合、ちょっと天候が悪いくらいでも、案内人が今日はとても出かけられませんよといって動かずにおれば、いくら彼が天候に自信をもっていても案内人を裏切って出かけることはできないであろう。かくて二、三日も、一緒に小屋におれば「近江積雪期登山の隆盛となるに従い、なかにはこの時期の登山について経験を有せざるものが山麓の部落あるいは山小屋にいたり、優れたる案内人や好指導者を有する登山隊の足跡を追うて高峻岳に登攀せんとするものがあると伝えられる。もし真なりとせば、かくの如きことは絶対に避けなければならない。危険の責任を他に転嫁するものなりと評されても仕方がない」などといわれるのではなかろうか。また案内をつれないと山小屋に鍵が掛っていて入れない地方があるが、そんな所ではガイドレスはもちろん単独行者などは極度に嫌われているわけだから、も
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