の斜面を巻いてみて、雪の方が楽だと思った。それからは平凡な岩尾根だった。黒岳の頂上も過ぎ、もう一つ北の峰まで行った。そこに三角点があるから。けれども、例の毀れた柱が三本あるきりで、三角標石は見えなかった。それでもこんどの行程の最高峰だったので、ベルグ・ハイルを三唱した。引返してから、赤岳の東尾根をさがすのに相当迷った。やっと取付いたが、ここがまた、短いが、一番悪いところだった。東沢側は大したことはなかったが、ワリモ沢側は物凄かった。悪いところは荷物とスキーを別々にはこんだりして、随分時間を食った。全部尾根通しに東沢側ばかりを歩いた。悪場を過ぎてからも、上り下りが意外に悪く、かつ眺望がないため一層疲れた。風の非常に強いときなどは、スキーで東沢の谷へ降りて、ズーと下を巻いた方が楽に違いないと思った。野口五郎岳の三角標石は、完全に露出していた。頂上からちょっと縦走して行くと尾根にくぼんだところがある。そこでちょっと休むことにして、雪の孔を掘り、カッパを上に張って潜り込んだ。孔の中の温度を計ろうと思って寒暖計を出していたが、一度も計らずに紛失してしまった。孔の中はあたたかだったが、二時間ほどで
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