もかくもと蓐《しとね》に請ずる。請ぜられるままお光は座に就《つ》いて、お互いに挨拶も済むと、娘は茶の支度にと引っ込む。
「一昨日はどうも……御病人のおあんなさるとこへ長々と談《はな》し込んでしまいまして、さぞ御迷惑なさいましたでしょうねえ。どうでございますね? 御病人は」
「どうも思わしくなくって困ります」とお光は辞寡《ことばすくな》に答えて、「昨日はお待ちなすったでしょうね。出よう出ようと思っても、何分にも手が空《あ》けられないものですから……今日やッと出抜けて今向うへ廻ってすぐこちらへ参ったのですよ」
「まあねえ、お忙しいとこを本当に済みませんね、御病人のお世話だけでも大抵なとこへ、とんだまたお世話をかけまして……」
「あれ、私の方から持ち込んだ話ですもの、お世話も何もありゃしませんけど……」と口籠《くちごも》るところへ、娘のお仙は茶を淹《い》れて持って来た。
例の写真ではとても十九とは思われぬが、本人を見れば年相応に大人びている、色は少し黒いが、ほかには点の打ちどころもない縹致で、オットリと上品な、どこまでも内端《うちわ》におとなしやかな娘で、新銘撰の着物にメリンス友禅の帯、羽
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