と何やら風呂敷包みを出して、「こりゃうまくはなさそうだけれど、消化《こなれ》がいいてえから、病人に上げて見てくんな」
「まあ、何だか知らないが、来るたび頂戴して済まないねえ。じゃ、取り散らかしてあるが二階へ通っておくれか」
「そうしよう」
 そこで、お光は風呂敷包みをもって先に立つと、金之助もそれについて二階へ上る。
 新造と金之助と一通り挨拶《あいさつ》の終るのを待って、お光は例の風呂敷を解いて夫に見せた。桐《きり》の張附けの立派な箱に紅白の水引をかけて、表に「越《こし》の霙《みぞれ》」としてある。
「お前さん、こんな物を頂戴しましたよ」
「そうか。いや金さん、こんなことをしておくんなすっちゃ困るね。この前はこの前であんな金目の物を貰うしまたどうもこんな結構なものを……」
「なに、そんなに言いなさるほどの物じゃねえんで……ほんのお見舞いの印でさ」
「まあせっかくだから、これはありがたく頂戴しておくが、これからはね、どうか一切こういうことはやめにして……それでないと、親類付合いに願うはずのがかえって他人行儀になるから……そう、親類付合いと言や」とお光を顧みて、「お前、お仙ちゃんの話をし
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