どこも……相変らずズキズキ疼《うず》くだけよ」
「どうかその、疼くだけでも早く医者の力で直らないものかねえ! あまり痛むなら、菎蒻《こんにゃく》でも茹《ゆ》でて上げようか?」
「なに、懐炉を当ててるから……今日はそれに、一度も通じがねえから、さっき下剤《くだし》を飲んで見たがまだ利かねえ、そのせいか胸がムカムカしてな」
「いけないね、じゃもう一度下剤をかけて見たらどうだね!」
「いいや、もう少し待って見て、いよいよ利きが見えなかったら灌腸《かんちょう》しよう」と下腹をさすりながら、「どうだったい、お仙ちゃんの話は?」
「まあ九分までは出来たようなものさ、何しろ阿母《おっか》さんが大弾《おおはず》みでね」
「お母《ふくろ》の大弾みはそのはずだが、当人のお仙ちゃんはどうなんだい?」
「どうと言って、別にこうと決った考えがあるのでもないから、つまり阿母さん次第さ。もっともあの娘《こ》の始めの口振りじゃ、何でも勤人のところへ行きたい様子で、どうも船乗りではと、進まないらしいようだったがね、私がだんだん詳《くわ》しい話をして、並みの船乗りではない、これこれでこういうことをする人だと割って聞かした
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