大きな鯨共を撃つための第二の銛が、用意されたままになっていた。老獪な船長《マスター》は、そうした不思議な鯨共を容易《たやす》く撃ち捕るために、密かに禁止された仔鯨撃ちを、永い間安吉に命じていたのだった。
仔鯨がいると親鯨はのろい。一年前の安吉のように、子供を置いてけぼりになど絶対にしないのである。
[#地付き](「新青年」昭和十一年十月号)
底本:「とむらい機関車」国書刊行会
1992(平成4)年5月25日初版第1刷発行
底本の親本:「新青年」博文館
1936(昭和11)年10月号
初出:「新青年」博文館
1936(昭和11)年10月号
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:大野晋
校正:noriko saito
2008年10月23日作成
青空文庫作成ファイル:
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