浮浪学生の話
RECIT DU GOLIARD
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob
上田敏訳

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)寄辺《よるべ》ない

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から3字上げ]マルセル・シュヲブ

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)そも/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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 抑《そも/\》われは寄辺《よるべ》ない浮浪学生《ふらうがくしやう》、御主《おんあるじ》の御名《みな》によりて、森《もり》に大路《おほぢ》に、日々《にちにち》の糧《かて》を乞《こ》ひ歩《ある》く難渋《なんじふ》の学徒《がくと》である。おのれ今《いま》、忝《かたじけな》くも尊《たふと》い光景《けしき》を観《み》、幼児《をさなご》の言葉《ことば》を聞《き》いた。われは己《おのれ》が生涯《しやうがい》のあまり清《きよ》くない事《こと》を心得《こゝろえ》てゐる、路《みち》の傍《か
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