聖地《せいち》だ。われらが御主《おんおるじ》[#ルビの「おんおるじ」はママ]の御足《みあし》は何処《どこ》をも聖《きよ》くなされた。さあ、ぐつすり眠《ね》るとしよう。耶蘇《イエスス》よ。十字架《クルス》を負《お》ふあの白《しろ》い幼児《をさなご》たちをも、夜々《よるよる》眠《ね》むらし給《たま》へ。われ真《まこと》にかく願《ねが》ひ奉《たてまつ》る。あゝ眠《ね》むくなつた。われ真《まこと》にかく願《ねが》ひ奉《たてまつ》る。事《こと》に依《よ》つたら御覧《ごらん》になつたかも知《し》れないが、幼児《をさなご》のことゆゑ、気《き》を付《つ》けてやらねばなるまい。真昼時《まひるどき》で気《き》が重《おも》くなる。物《もの》皆《みな》悉《こと/″\》く白《しろ》つぽい。しかあれかし、亜孟《アメン》。
底本:「定本 上田敏全集 第一巻」教育出版センター
1978(昭和53)年7月25日発行
底本の親本:「上田敏全集 第二巻」改造社
1928(昭和3)年
初出:「三田文学 第四巻第二号」
1913(大正2)年2月
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の
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