に求めよ。
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春の朝 ロバアト・ブラウニング
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時は春、
日は朝《あした》、
朝《あした》は七時、
片岡《かたをか》に露みちて、
揚雲雀《あげひばり》なのりいで、
蝸牛枝《かたつむりえだ》に這《は》ひ、
神、そらに知ろしめす。
すべて世は事も無し。
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至上善 ロバアト・ブラウニング
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蜜蜂の嚢《ふくろ》にみてる一歳《ひととせ》の香《にほひ》も、花も、
宝玉の底に光れる鉱山《かなやま》の富も、不思議も、
阿古屋貝《あこやがひ》映《うつ》し蔵《かく》せるわだつみの陰も、光も、
香《にほひ》、花、陰、光、富、不思議及ぶべしやは、
玉《ぎよく》よりも輝く真《まこと》、
珠《たま》よりも澄みたる信義、
天地《あめつち》にこよなき真《まこと》、澄みわたる一《いち》の信義は
をとめごの清きくちづけ。
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ブラウニングの楽天説は、既に二十歳の作「ポオリイン」に顕《あらは》れ、「ピパ」の歌、「神、そらにし
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