い。
第三問 最終戦争が遠い将来には起るかも知れないが、僅々三十年内外に起るとは信じられない。
答 近い将来に最終戦争の来ることは私の確信[#「確信」に白丸傍点]である(三三―三五頁)。最終戦争が主として東亜と米州との間に行なわれるであろうということは私の想像[#「想像」に白丸傍点]である(四四頁)。最終戦争が三十年内外に起るであろうということは占い[#「占い」に白丸傍点]に過ぎない(四五頁)。私も常識を以てしては、三十年内外に起るとは、なかなか考えられない。
しかし最終戦争は実に人類歴史の最大関節であり、このとき、世界に超常識的大変化が起るのである。今日までの戦争は主として地上、水上の戦いであった。障害の多い地上戦争の発達が急速に行かないことは常識で考えられるが、それが空中に飛躍するときは、真に驚天動地の大変化を生ずるであろう。空中への飛躍は人類数千年のあこがれであった。釈尊が法華経で本門の中心問題、即ち超常識の大法門を説こうとしたとき、インド霊鷲山《りょうじゅせん》上の説教場を空中に移したのは、真に驚嘆すべき着想ではないか。通達無碍の空中への飛躍は、地上にあくせくする人々の想
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