、要するに常温常圧の工業から高温高圧工業に、電気化学工業に変遷をして来る、そうして今までの原料の束縛からまぬがれてあらゆる物が容易に生産されるに至る驚くべき第二産業革命が今、進行しているのであります。それに対する確信があってこそ今度ドイツが大戦争に突進できたのであろうと思います。われわれは非常に科学文明で遅れております。しかし頭は良いのです。皆さんを見ると、みな秀才のような顔をしております。断然われわれの全知能を総動員してドイツの科学の進歩、産業の発達を追い越して最新の科学、最優秀の産業力を迅速に獲得しなくてはならないのであります。これが、われわれの国策の最重要条件でなけれはなりません。ドイツに先んじて、むろんアメリカに先んじて、われわれの産業大革命を強行するのであります。
この産業大革命は二つの方向に作用を及ぼすと思う。一つは破壊的であります。一つは建設的であります。破壊的とは何かと言うと、われわれはもう既に三十年後の世界最後の決勝戦に向っているのでありますが、今持っているピーピーの飛行機では問題にならない。自由に成層圏にも行動し得るすばらしい航空機が速やかに造られなけれはなりませ
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