の方針を決定す。
二、極めて有力なる予備隊を設く。
三、最後の衝撃を最も猛烈に行なう。
四、堅実にして偶然に支配せらるる事少なく兵力が最も重大なる要素なり。
[#ここで2段組、下段終わり]
[#ここで字下げ終わり]
第二節 二種類に分るる原因
1 武力の靭強性
2 国民性および将帥の性格
攻撃威力が強い、逆に防禦の能力の脆弱な戦闘、換言すれば勝敗の早くつく戦闘では自然第一線決戦主義が採用せらる。例えて言えば騎兵の密集襲撃のようなものである。これに反し防禦が靭強である時は急に勝負がつき難い。妄《みだ》りに猪突するは危険で第二線決戦主義が有利となる。それ故この二種類はその時代の軍隊の性格に依る事が最も多い。特に兵器が進歩して来れば来る程、国民性や将帥の性格の及ばす影響が小さくなるのは当然である。
古代、兵器が極めて単純であった時代は、国民性の会戦指導要領に及ばす影響は比較的大であり得た訳である。ギリシャ人は強大な大集団を作りこれをファランクスと名付けた。この大集団に依る偉大な衝力に依り一挙に決勝を企図したのである。これに対しローマ人はレギオンと称し比較的小さな集団を編制
前へ
次へ
全319ページ中239ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
石原 莞爾 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング