主力の時代が来れば初めて海も持久戦争の原因とはならない。空軍の徹底的発達がこの決戦戦争を予告し、それも地上作戦でなく敵国中心の空中襲撃に依る事は疑いを入れない。地球の半周の距離にある敵に対し決戦戦争を強制し得る時は、世界最終戦争到来の時である。
第三章 会戦指導方針の変化
第一節 会戦の二種類
戦争の性質に陰、陽の二種あるように、会戦も二つの傾向に分ける事が出来る。
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1 最初から方針を確立し一挙に迅速に決戦を求める。(第一線決戦主義)
2 最初は先ず敵を傷める事に努力し機を見て決戦を行なう。(第二線決戦主義)
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両者を比較すれば、
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第一線決戦主義
一、将帥は決戦の方針を確立して攻撃を行なう。
二、第一線の兵力強大、予備は少し。
三、最初の衝撃を最も猛烈に行なう。
四、偶然に支配せらるる事多く奇効を奏するに便なり。
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第二線決戦主義
一、将帥は会戦経過を見て決戦
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