に対する考えはかくて、
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
1 日蓮聖人によって示された世界統一のための大戦争。
2 戦争性質の二傾向が交互作用をなすこと。
3 戦闘隊形は点から線に、更に面に進んだ。次に体となること。
[#ここで字下げ終わり]
の三つが重要な因子となって進み、ベルリン留学中には全く確信を得たのであった。大正何年か忘れたが、緒方大将一行が兵器視察のため欧州旅行の途中ベルリンに来られたとき、大使館武官の招宴があり、私ども駐在員も末席に連なったのであるが、補佐官坂西少将(当時大尉)が五分間演説を提案し最初に私を指名したので私は立って、「何のため大砲などをかれこれ見て歩かれるのか。余り遠からず戦争は空軍により決せられ世界は統一するのだから、国家の全力を挙げて最優秀の飛行機を製作し得るよう今日から準備することが第一」というようなことを述べたのであるが、これは緒方大将を少々驚かしたらしく数年後、陸軍大臣官邸で同大将にお目にかかったとき、特に御挨拶があった。大正十四年秋、シベリヤ経由でドイツから帰国の途中、哈爾賓《ハルビン》で国柱会の同志に無理に公開演説に引出された。席上で
前へ
次へ
全319ページ中129ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
石原 莞爾 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング