る》や家鶏《にわとり》を弄《いじ》ったり、貸し本を読んだりして、ごろごろしていたが、それにも倦《う》んで来ると、お庄をいびったり、揶揄《からか》ったりした。お庄がちょっとでも家を出ようとすると、芳太郎が目の色がたちまち変った。家へ訪ねて来たお庄の前の男のことも始終言い出された。
 木立ちの深いこの部屋は、昼もめったに日光が通わなかった。三時ごろからしばらくの間|斜《はす》に差し込む西日の影は、かなり暑かった。お庄は芳太郎の昼寝をしている側で、自分もぐったり眠ってしまうようなことが間々《まま》あった。森に蜩《ひぐらし》の声が、聞える時分に、ふと汗ばんだ腋《わき》のあたりに、涼しい風が当って目がさめると、芳太郎もぼんやりした顔をして、起き直っていた。両手を上へ伸ばして、突伏《つっぷ》しになっていたお庄は、懈《だる》い体を崩して、べッたりと坐りながら、大きい手で顔を撫《な》でたり、腕を擦《さす》ったりしていた。通りに豆腐屋の声などがして、邸のなかはひっそりとしていた。
 体に悪戯《いたずら》をされたことに心づくと、お庄は妙に腹が立った。子供のような芳太郎はお庄のぶよぶよした白い股《もも》のあ
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