。
お庄は、叔父がいよいよ田舎へ帰るようになったら、ちょっと報《しら》してほしいとそのことを母親に頼んで帰って行ったが、途中で小石川の伝通院前の赤門の家で占いの名人のあるということを想い出して、ふとそこへ行って観《み》てもらう気になった。占いやお神籤《みくじ》はこれまでにも、たびたび引いて見たことがある。磯野との縁が切れそうになった時も、わざわざ水天宮で御籤《みくじ》を引いた。その時の籤はそんなに悪くもなかったが、三十過ぎるまでは、心に苦労が絶えないというようなことは、一、二度|売卜者《うらない》にも聞かされた。着ることや食うことには大して不足もないが、処《お》るところがまだ決まらないというようなことも言われた。
赤門ではその日がちょうど休日《やすみ》であった。お庄はさらに伝通院横にある、大黒の小さいお寺へ行って、そこに出張っている法師《ぼうず》に見てもらうことにした。
派手な衣を着けて、顔のてらてらしたその法師《ぼうず》は、じろじろお庄の顔を見い見い水晶《すいしょう》の数珠玉《じゅずだま》などを数えていたが、示されたことはあまり望ましいことでもなかった。法師は古びた易書を繰って
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