んと顔出しをしなくなったし、ちょいちょい金を貸してあった人たちも、かんぎら[#「かんぎら」に傍点]ともしなかった。
そんな話が長く続いて、母子《おやこ》の目はいつまでも冴《さ》えていた。
「姉さんの家はどんなとこだえ。」と、弟はもう捲莨《まきたばこ》などを喫《ふか》して、お庄に訊いた。
「今までのように、不断にお鳥目《あし》を使ったり何かしちゃいけないからって、今阿母さんともその話をしていたのさ。」
「それアそうさ。私だってそんな白痴《ばか》じゃないよ。」と、お庄は磯野との関係以来、自分がさもだらしのない女のように、衆《みんな》に思われているのが切なかった。誰よりも一番苦労をして来たことも考え出された。
「見かけによらない、私はこれで苦労性ですよ。」と、お庄は長い指に莨を揉んで、煙管に詰めながら言った。話そうと思って来たことを、二人の前に打ち明けることも出来なかった。
「何だか知らないけれど、皆な運が悪い。」と、母親は、この家が畳まれてからの、自分の体の行き場のないことを零《こぼ》した。
「湯島で来ておれと言うだけれど、たびたびのことだし、そうも行かないでね。」
衆《みんな》のまご
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