の詰ったじくじくした体や色の蒼白い細面なども、坐る時薄々目に入った。
親戚たちの挨拶が長く続いた。
燭台《しょくだい》の火が目にちらつくようで、見まいとしている婿の姿が、横からまた目に映った。
盃《さかずき》の時、骨細い婿の手が、ぶるぶる顫《ふる》えていた。
七十
翌朝お庄が目を覚ました時分は、屋内《やうち》がまだひっそりしていたが、立て廻した屏風《びょうぶ》の外の日影は闌《た》けていた。昨夜《ゆうべ》は寝室《ねま》へ退《ひ》けてからも、衆《みんな》はいつまでも騒いでいた。終《しま》いにはお袋の三味線などが持ち出された。汽車の間に合わなくなって、東京へ帰れなかった連中もあった。意地の汚い浅山も酔い潰れて、次の室《ま》に衆《みんな》と一緒にごろ寝をすることになった。そんな人たちの疲れた寝息や鼾《いびき》が、こっちまでも聞えた。
子息《むすこ》の芳太郎《よしたろう》は、蒲団の外へ辷《すべ》り出したまま、まだ深い眠りに沈んでいた。角刈りにした頭の地も綺麗で、顔立ちも優しい方であったが、手足の筋肉がこちこちと硬かった。時々板前をやると見えて、どこか腥《なまぐさ》い臭《に
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